2017-07

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『東京物語』(小津安二郎 監督、1953年 松竹映画)

初めて『東京物語』を観て、人の「属性」というものについて考えた。以下、ネタバレしないように気を付けながら書きます。

この映画を観て気が付いたことの一つは、すべての登場人物の職業、住居、家族構成など、その人の属性が極めて具体的に述べられていることだった。主役・準主役・脇役の人々はもちろん、ストーリーにほとんど影響しないほんのチョイ役、たとえば、ある脇役の家の下宿人さえ、法学部の大学生で仕送りで生活しているのにパチンコばかりして遊んでいる人、という風に事細かにその人の属性が述べられる。

よく、「人は見かけによらない」という。僕はこの言葉を、「人に接するときには、その人の見かけ、つまり顔形や、喋り方、あるいは社会的地位など、外から見えるもの、すなわち、属性を重視してはいけない。その人の内面こそが大事だ」というような意味だと思ってきた。

ところが、この映画の中で、ああもあっけらかんと、一人ひとりの属性が明らかにされると、もしかしたら、自分は、「属性」というものを、まるで見てはいけないものであるかのように、見ないように避けてきたのではないか、という思いが湧いてきた。もうすこし、属性というものとちゃんと向き合い、丁寧に付き合っていかなければならないのではないか、と。

「人は見かけによらない」という言葉は、人を見かけで判断するな、というよりも、むしろ、人を判断すること、あの人はこういう人だと判ったように思ってしまうことへの戒めなのだと思う。「見かけ」自体は、その人の属性として厳としてその人にくっついているものであって、それは無視すべきものではなく、むしろ尊重すべきものなのだと思う。これは、自分の属性についてもあてはまる。自分の属性を、単に、隠すべきものというような矮小な存在に貶めることなく、それと丁寧に付き合っていきたい。


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内之助

Author:内之助
マラソンは、2008年12月のホノルル・マラソンをもって、全米全州(50州+DC)でフル・マラソンを夫婦で完走。今は、トレイルでのウルトラ・マラソンを楽しんでいる。
音楽は、中学校1年生の時に、FMで偶然耳にしたモーツァルトの喜遊曲がきっかけでクラシックにのめり込む。
読書は、ノンフィクション中心に、同じ著者のものをまとめて読む傾向あり。小林秀雄、吉田秀和、カール・ヒルティ、スティーヴン・ジェイ・グールド、内田樹、茂木健一郎など。
仕事はサラリーマン。1995年以来ニューヨーク市郊外在住。

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