2017-09

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61

中学三年生の時に、たまたま耳にして以来、今に至るまでずっと好んで聴いている曲だ。全曲で演奏時間は45分前後と長めだが、ベートーヴェンの曲にしては珍しく、あまり緊張感を強要しない曲風なので、気軽に何度でも聴きたくなる。

第一楽章は、ティンパニが、ニ音(ニ長調のド)の四分音符を四つ連打するという、この上なくシンプルな始まり方をする。この同音四連の音型が、20分を超える長い第一楽章のいたるところで顔を出す。こんな単純な音型なのに、出て来るたびに違って聞こえるだけでなく、曲そのものがその都度精彩を増して行く。第一楽章の主要主題は、これもまた単純な、ドーミソラシドレドシというほとんど音階そのもののような短く簡明なものだ。ゆったりとした風格を感じさせてくれるこの主題が、この曲全体の中で、最も好きなフレーズだ。

心地よいまどろみのような第二楽章も、穏やかな快活さを感じさせる第三楽章も、どちらも好ましい。

そもそも、穏健で、あまり声高に主張しない曲風のせいか、大抵の演奏が中道を行くような常識的な感じのものになるが、むしろその方がこの曲の良さをよく伝えてくれる。好きな曲なのでいろいろな録音を聴いてきたが、結局は、一番最初に買った同曲の録音(当時はLP)である、シェリングの独奏にイッセルシュテット指揮ロンドン交響楽団が伴奏したものが、今でも最も親しみやすい。
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内之助

Author:内之助
マラソンは、2008年12月のホノルル・マラソンをもって、全米全州(50州+DC)でフル・マラソンを夫婦で完走。その後、トレイルでのウルトラ・マラソンを経て、今はタイムを気にしなくても良い登山やハイキングを楽しんでいる。
音楽は、中学校1年生の時に、FMで偶然耳にしたモーツァルトの喜遊曲がきっかけでクラシックにのめり込む。
読書は、ノンフィクション中心に、同じ著者のものをまとめて読む傾向あり。小林秀雄、吉田秀和、カール・ヒルティ、スティーヴン・ジェイ・グールド、内田樹、茂木健一郎など。
仕事はサラリーマン。1995年以来ニューヨーク市郊外在住。

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