2016-08

アディロンダック: ゴチックス他五峰

この夏3回目のアディロンダック、今回は長めのハイキングとなるので、前2回のような日帰り強硬日程ではなく、前後泊することにした。なお、今回の宿は、ADK Trail Innの簡易キッチン付2ベッドの部屋で快適だった。

2016年8月27日(土)朝6時出発
16.5マイル(26.5キロ)、8時間28分
今回登った山(Pyramid以外はアディロンダック46名山):
Lower Wolf Jaw (4,175 フィート=1,273 メートル)
Upper Wolf Jaw (4,185 フィート=1,276 メートル)
Armstrong Mtn. (4,400 フィート=1,341 メートル)
Gothics (4,736 フィート=1,444 メートル)
Pyramid Mtn. (46名山に含まれず)
Sawteeth (4,100 フィート=1,250 メートル)

26.5キロは今季最長距離、しかも、アディロンダックで6つの山を縦走となると、トレイルの状態によっては10時間くらいの長丁場になる可能性もある。しかも、今回のコースは人気のルートとあって駐車場が早々に満杯になることも心配だ。そこで、3時半起床、5時15分に宿を出発、6時前にSaint Hubertsの駐車場に着いた時には、すでに10台ほどのクルマが停まっていたが、無事スペースを確保でき、一安心する。

6時ちょうどにスタート、ゴルフ場内の道を1キロ弱通り、トレイルヘッドへ。そこで登録簿に記入して、いざトレイルへ。オーサブルAusable川にかかる橋を西岸へと渡って、しばらくは、川沿いの比較的平坦なトレイルを1.8マイル(2.9キロ)程行く。
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-オーサブルAusable川の西岸へ渡る-

その後、トレイルは傾斜を増し、息が切れてくる。ただ、足場は、いまのところまだ「普通のトレイル」で、その点ではそう悪くない。
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-トレイルは傾斜を増してくる-

次第に足場は、「普通のトレイル」から、「アディロンダックらしいトレイル」つまり、巨岩・岩場登りへと変化し、それにつれて、ペースはグッと落ちてくる。
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-アディロンダック独特の岩場-

出発してから2時間11分、TH(トレイルヘッド)から約4.2マイル(6.8キロ)で今日最初の山、ロウワー・ウルフ・ジョー Lower Wolf Jaw(標高4,175 フィート=1,273 メートル)頂上に到着。ただし、森林限界を超えておらず木々が繁っているので、眺望はあまりよくない。
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-ロウワー・ウルフ・ジョーLower Wolf Jaw頂上-

次の山までは、そこから1.4マイル(2.3キロ)の下りと上りだ。途中やはり岩と格闘しなければならない。たとえばこの岩は、そのまま登るには微妙に高い。試行錯誤の末、二つの巨岩の間の、隙間を行くのがベストルートと判明した。
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-巨岩の隙間を行く-

前の山から約1時間で、二つ目の山アッパー・ウルフ・ジョー Upper Wolf Jaw (標高4,185 フィート=1,276 メートル)に到着。こちらの方の「オオカミのあご」頂上は開けた岩盤なので、眺めは良い。
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-アッパー・ウルフ・ジョーUpper Wolf Jaw頂上からの眺め-

次の山までの途中、岩壁に梯子が設置された箇所があった。これがなければ、ロック・クライミングの技術がなければ先へは行けないだろう。このルートを整備してくれた人たちの配慮に感謝。
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-有難いことに梯子が設けられている-

約1マイル(1.6キロ)、42分で次のアームストロング Armstrong Mtn. (標高4,400 フィート=1,341 メートル)に。今日のメイン、ゴチックス Gothicsが見えた。
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-アームストロングからゴチックス(中央)を望む-

アームストロングから37分、0.8マイル(1.3キロ)で、次のゴチックス(標高4,736 フィート=1,444 メートル)に着く。この山の頂上は、岩盤が長さ200~300メートルほども広がっており、そこから360度の眺望が楽しめた。
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-ゴチックス頂上から西の方向を望む。以前登ったMt. MarcyやMt. Skylightが見えているはずだが、どれか分からない-

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-ゴチックスから南の方向、次に登るピラミッドPyramidを望む-

ゴチックス頂上で10分ほど眺望を堪能して、次のピラミッドPyramidに向かった。
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-ピラミッドの岩肌(前の写真中ほどの「7」の字型の部分)を登る-

28分、0.4マイル(1キロ)でピラミッド山頂へ。途中で遭ったハイカーによれば、ここからの眺望はアディロンダック最高とのことだだったが、確かに素晴らしいものだった。
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-ピラミッドから北方向を望む。右の峰がゴチックス、左がSaddleback Mtn.。岩肌が見事-

次のソーティースSawteethまでは、約1マイル(1.6キロ)の道のりを、一旦下った後、急な登りを行く。
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-ソーティースまでの急な登り-

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-やはりここにも岩盤登りがある-

約1時間でソーティースSawteeth(標高4,100 フィート=1,250 メートル)頂上に到着。これで今日目指した6峰すべてに登頂でき、一安心。ただ、アディロンダックは、下りも急で、滑りやすい岩場も多く気が抜けない。
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-ソーティース頂上から、北方、ピラミッドとその奥左に小さくゴチックスを望む-

今日のコースには、厳しい縦走の後のささやかな「ご褒美」さながらに、二つの美しい滝がある。一つ目は、ソーティースから延々(と感じられる)約2マイル(3.2キロ)下ったところにある、レインボー滝だ。
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-レインボー滝-

もう一つは、オーサブル川まで下った後に、西岸ぞいのトレイルを、壮大な岩壁を見ながら約1マイル(1.6キロ)行ったところにあるビーバー・メドウBeaver Meadow滝だ。
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-オーサブル川西岸-

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-壮大な岩壁(人が小さく見える)を左に見ながら川沿いのトレイルを進む-

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-ビーバー・メドウBeaver Meadow滝-

ここまでで、すでに8時間近く経っており、かなり疲れたので、最後の約2マイル(3.2キロ)は、トレイルから外れて、未舗装道路を行くことにした。一瞬たりとも気を抜けないトレイルから、このような道に出ると、まるでうそのような走りやすさだ。
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-未舗装道路も、トレイルに比べると、まるでハイウェイ並みの気楽さだ-

朝来たゴルフ場内の道を戻り、8時間28分の長丁場を二人とも無事完了できた。宿へ帰ってから飲んだ地ビール「アディロンダックBear Naked Amber Ale」の美味しかったこと。
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-ゴルフ場越しに、ひと月前に登ったジャイアントGiant Mtn.が見えた-

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-無事駐車場に帰着、お疲れでした-

(2016年9月4日記す)
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カタ―ディン - バクスター・ピーク登山 2016年8月19日

カタ―ディンMt. Katahdin(標高5,268フィート=1,606メートル)は、米国北東端のメーン州の最高峰で、バクスター・ピークなどいくつかの峰々からなる、堂々たる威容を誇る山だ。
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-インフォメーション・センターからのカタ―ディンの全容-

今日目指すバクスター・ピークBaxter Peakは、アパラチアン・トレイルの北の終点という、ハイカーたちにとっては特別な場所だ。アパラチアン・トレイル(通称AT)は、南部ジョージア州と北東部メーン州をつなぐ全長2,189.1マイル(3,522キロ)の、米国でも有数のトレイル・システムの一つだ。毎年数百人の猛者たち(約四分の一が女性)が、その全行程を踏破し「スルー・ハイカー」の称号を得る。今日は、そのATの最北端部分の5.2マイル(8.4キロ)を辿って、バクスター・ピークBaxter Peakを目指す往復10.4マイル(16.8キロ)というルート。日帰りハイキングの距離としては特に長いものではないが、頂上まで約4,200フィート(1,280メートル)も登り、しかも、途中、難しい岩登りもある。簡単な道のりではなさそうだ。緊張の面持ちでトレイル・ヘッド(TH)を朝6時45分に出発した。

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-THにある道標-

天気は、晴れ、朝の気温は摂氏12℃と良好なコンディションだ。水分3リットル、ジェル10個、塩カプセル数個を携行。トレッキングポールは、岩登りの邪魔になると考え持参しなかった。
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-道中の無事を願いつつ登録簿に記入。いつもながら少し身の引き締まる瞬間だ。-

最初の1マイル(1.6キロ)を過ぎた辺りから、傾斜がややきつくなるものの、足場はまだ悪くない。
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-ATといえば、この白のトレイル・マーク-

上るにつれて、大きめの岩が目立ってくるが、まだ森の中(森林限界よりも下)のトレイル。何となく、その先何が待っているかが暗示されるているようだが、まだ余裕の表情で、岩と戯れながら進む。
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-大き目の岩が目立ってくる-

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-足場も岩がゴロゴロし始める-

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-まだ余裕あり 1-

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-まだ余裕あり 2-

ついに、スタート後約2マイル(3.2キロ)辺りから、巨岩登りが1マイルほども続く難所に入った。背の高さを軽く超える無数の巨岩で埋め尽くされた急斜面を、白のコースマークを辿りながらよじ登っていく。まさに全身運動で、上半身の筋肉が疲れる。ただ、コースマークが、丹念にきめ細かく付けられていて、非常に助かった。
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-いよいよ巨岩登りが始まる-

実は、この後、岩登りの最大の難所に差し掛かったところで、よりにもよって局所的な突風が吹き付け、がけ下へ吹き飛ばされるかもしれない恐怖感を何度か抱くほどだった。この間、写真を撮る余裕なし。寒さを凌ぐべく、岩陰でウィンド・ブレーカーを着込む。
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-強風の中での巨岩登りが続く-

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-威圧するような巨岩の間を縫って登る-

1時間以上に及ぶ巨岩と強風との格闘を終えて、山頂に続く広大な平坦地(通称Table Land)に着いた。ホッとしたものの、帰りはこの岩々を降りるのかと思うと、少し気が重くなる。ここから約1マイル(1.6キロ)先に頂上がある。
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-Table Land 左奥が目指す頂上-

スルー・ハイカーたちに思いをはせつつ進む。ジョージア州を春に出発し、ここまで2,000マイル以上来てついにゴールが目の前に迫っている。どんな感情が湧いてくるのもだろうか。
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-丁寧につくられた階段。スルー・ハイカーたちのためのレッド・カーペットだ。-

出発後、3時間11分でバクスター・ピークに到着。標高は1,606メートルとさほどでもないが、この山頂は、北海道最北端の稚内市とほぼ同じ北緯45度54分もの高緯度に位置していることから、森林限界をはるかに超えている。したがって、眺望は最高だ。
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-米国の山には珍しい山名の標識。「ジョージア州まで2,189.1マイル」-

今日のルートは山の西側から登るものだったが、東側から登るルートもある。ただし、下の写真にあるように、山頂直前に「ナイフ・エッジ」と呼ばれる、両側が切り立った狭い尾根を通らなければならないので、我々にはやや危険と判断し、今回は西ルートをとった。しかし、頂上で遭った地元のハイカーによれば、ナイフ・エッジを通る東ルートは、我々の今日のルート(AT=ハント・トレイルHunt Trail)よりも難易度は低いのではないか、とのこと。いつか挑戦してみたい。
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-東方向、ナイフ・エッジを望む-

頂上で10分ほど休んで、下山を開始する。まずは、Table Landを快調に走り下る。
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-緩めの下りはトレイル・ランの最大の楽しみだ-

しかし、間もなく、あの気の思い巨岩のがけ下りが始まる。お尻をつけながら慎重に岩を降りて行く。少し油断すると、足首を捻ったり、最悪の場合、滑落の危険もあるので気を緩められない。
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-難しい上りは、難しい下りでもある-

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-登る時には強風で写真を撮れなかった場所。岩の絶妙な位置に絶妙な形状の鉄の取っ手が設置されている-

何とか、難所を切り抜けて少し下ると、THまであと1マイルちょっとのところに、カタ―ディン滝Katadhin Stream Fallsがある。美しい滝を見ながら小休止。
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-カタ―ディン滝-

THに午後1時12分に帰着。全行程10.4マイル(16.8キロ)、所要時間6時間27分のハイキングだった。
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-無事THに着きました-

(2016年9月5日記す)

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プロフィール

内之助

Author:内之助
マラソンは、2008年12月のホノルル・マラソンをもって、全米全州(50州+DC)でフル・マラソンを夫婦で完走。その後、トレイルでのウルトラ・マラソンを経て、今はタイムを気にしなくても良い登山やハイキングを楽しんでいる。
音楽は、中学校1年生の時に、FMで偶然耳にしたモーツァルトの喜遊曲がきっかけでクラシックにのめり込む。
読書は、ノンフィクション中心に、同じ著者のものをまとめて読む傾向あり。小林秀雄、吉田秀和、カール・ヒルティ、スティーヴン・ジェイ・グールド、内田樹、茂木健一郎など。
仕事はサラリーマン。1995年以来ニューヨーク市郊外在住。

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